ソローヒルから


All Photos copyright Edward Levinson!!

秋になって、みるみるうちに、咲く花の種類が違ってきて、めまぐる しい。
ただ今は、コスモスの群生が、森か林のように我が庭に 連なっている。
下にある写真のようなフヨウはそろそろ終わり、実が無数に付いている。
酔フヨウは、咲く時期が遅い ので、今まさに満開。
そしてダチュラは、今頃から咲き出した。
遅かったので、もう駄目かと思ったが、大きなトランペット形の花を次から次に咲かせている。
今年は、大きいのが4本あり、挿し木が1本。こちらはまだつぼみが付いていない。
特にクリスマスコーナーで咲いてくれるのはうれしい。
エンゼル・トランペットとも呼ばれるのだから、天使たちが吹く笛なのだ。

これからの花木であるサザンカや椿も何本か新しく植えた。
私の庭に対するポリシーで、あまり華々しい草花を植えないことにしたら、やはり何となくさびしい。
おしろいばな、ヒャクニチソウ、菊各 種、そして大きなコスモスの群生
くらいしかない。これからフランス菊が咲き、サザンカの開くのが待ち遠しい。
目立つ花ばかりに興味をもたないで、とどこからかキンモクセイの
香りが漂ってきた。2本の木からだ。
目立つ花、といえば、今年も真っ黄色のきくいもと真っ赤な彼岸花が
盛った。毎年毎年、ちゃんと出てきてくれることは、ソローヒルガー
デンのお話の中
でもわかるでしょう。
野の花はあちこちで新顔となっている。
つりがねそう、のぎく、くさふじ、われもこ う、いぬたで

そして野生の生き物たちも、活発に動き回っている。蛇、蛙、蜂
アブ、小鳥たち、狸やハクビシン、これから冬への準備でしょう。



昨年の私の塾の方々が集まり、同窓会を開く

二人の赤ちゃんが新しく加わった。
10ヶ月間の間、それぞれがどのような人間的変化を したのか、
楽しみだ。外観ではなく、内面的な変化は、そう簡単 にしれるものではないけれど、久しぶりに人と会うと言うことは、否が応でも、その変化を自ずと物語るこ とになる。ここずっと、進歩を感じられない私自身、久しぶりの方に合うのはちょっと恐いな。
エドはただ今、本を執筆中。 その翻訳は私が担当する。
今月は写真ワークショップをここで開くので、
その準備にもいそがしい。
世の中では、核実験、飲酒運転事故、政治問題、殺人 事件と
腹だたしい事件が相次いでるが、ここには鳥の歌声し か届かず、
平和そのものであることを感 謝している。


ソロー ヒル・ガーデンがテレビに登場しました
9月にNHKテレビで 再放送を含めて5回放映されました。
「素敵にガーデニング・ライフ」
詳しくはNHKのホームページをご覧下さい。

http://www.nhk.or.jp/garden/


http://www.nhk.or.jp/garden/program/prg_129_a.html
とそれに続くダイアリーもご覧下さい。

皆さんに観ていただき、ご感想も寄せられました。ありがとうございました。
庭も生き物、命が続く限り終わることはなく、変化もします。庭を大切に思うことは自然環境と、その中に生きる人間や生物を愛しむこと。そんなメッセージを お届けできたなら幸いです。



10月の野の花

 「南蛮煙管の祈り」

「お やっ、こんな所にこんな珍しい花!」〃こんな所〃とは、東京都三宅島の、溶岩で覆われた山の裾野だった。一面黒々とした荒野のススキや草の脇に、そっと顔 を出して静かにたたずんでいたその花。だが強烈な個性で私に迫って来て、何かを訴えているようだった。もうかれこれ十年前。あの美しい三宅島が、現在の状 態になる前である。 
こ の形から、南蛮煙管ナンバンキセルと呼ばれている。なるほど、キセルにそっくりなこと。でも逆に、この花に似せたキセルを作る、なんていうのもしゃれてい るのではないかしら。あっ、でも、喫煙を奨励しているのではありません。働き盛りの人々、それも多くは男性が、生活習慣病、中でも肺癌に倒れるのは喫煙が 無縁ではない、と以前から警告されているのだから。個人の習慣をとやかく言えないけれど、でも人はその人だけのものではなく、家族や友人や仕事のためのも のでもあるわけだから、どうか自分を大切にして欲しいと祈る思い。煙草が吸いたくなったら、このナンバンギセルの花を眺める、というのはどうでしょう。 
珍 しい部類の花だけれど、以外と身近な所に生える。ススキや茗荷などの根に寄生するので目立たないだけかもしれない。三宅島ではたった一本にしか会わなかっ たけれど(時期的に早かったのだろう)、地域によっては群生していることもある。私の地域でも容易に出合うことができた。
゛ 思い草゛という別名もあるナンバンキセルの花。故郷の三宅島を離れて暮らすことを余儀なくさせられていた人々は、この花と再会できる日が一日も早く、と 願っていただろう。誰もいない島で、ナンバンギセルはひっそりと咲いていたのだろうか、島民の帰郷を祈りながら。

このページは、新しく作った
「ソローヒル・ガーデン」のホームページ
http://solohillgarden.com/
にも掲載しています。