鶴田静著  『茶箱のなかの宝物ー
わたしの昭和
ものがたり』 岩波書店刊

税込み 1995円 四六判 216頁 
  ISBN978-4-00-023838-0


以前タイトルだけご紹介していた「上の部屋のシ イカ」福音館書店「母の友」誌連載エッセイが形を変えて一 冊の本に。以下は目次です。

はじめに 
 1  「最初のアルバム」
 2  「家業は家畜医院」     
 3  「仕立て直しの服」   

 4  「涙味のしょっぱい食事」       
 5  「わたしはもらい子?」       
 6  「初恋は永遠に」
 7  「たらふく食った道草」  
 8  「少女が大人になるとき」      
 9  「トースター到来」      
  10  「モダンボーイの文化革命」      
  11  「作家になりたい小学生」    
  12  『にんじん』の花嫁 
 13  「破かれた本のページ」      
  14  「ガリ版刷りに秘めた別れ」     
 おわりに


カバー絵と各章の挿画は鶴田の作です。
全国の書店でどうぞ。または、        
岩波書店     電話案内 03−5210−4000
           URL:http://www.iwanami.co.jp/

「私が少女期の苦境を脱することができたのは、幼い頭で自分なりに必死に考えた成果 や、家族や友だちからもたらされた知恵や励ましによってのことが多かった。昭和二〇年からの戦後という、一般家庭には電話もテレビも車もなく、物や情報の ほとんどない時代には、家族や学校の先生や友人たち生身の人間に甘え、頼り、すがることで物事は解決されたのだった。そして人々は優しく、時に厳しく、ひ との悩みに答えてくれた。」ーーはじめにより

少女の物語ですが、昔の少女、今の少女、これからの少女にもよんでいただきたい。こ の物語の少女シズカは、こう言っています。「あなただけでない、誰もが悩み 苦しみ、そうして幸せになる。だから勇気を出して」と。現代の少年少女たちの心と耳に届けば幸いである。
書評・紹介メディア、感想文につきましては、ニュースのページをご覧下さい。
ご紹介いただきましたメディア。(他にありま したらお知らせ下さい。)

「清流」誌 清 流出版 6月号 「新刊紹介」
「なごみ」淡交社 6月号「話題の新刊」
「PHPほんとうの時代」6月号 「新刊案内」
「女性のひろば」7月号 「本 ほん」日本共産党中央委員会出版局
 女性誌「グラツィア」
WEB版「Culture Windows」
   http://www.joseishi.net/grazia/culture/books/books.html
e船団書評委員会
  http: //sendan.kaisya.co.jp/bookback.html 
「しんぶん赤旗」 日曜版07/4/8日号 文化欄 「本立て」

感想文をありがとうごさいました。 
田丸務氏評
本書は、自伝的エッセイ、それも著者の少女時代を 扱ったもので、今まで当コーナーでまったく取りあげたことのないジャンルである。今回、取りあげるにあたっては、ちょっとした経緯がある。
 実は、著者、鶴田静さんと私は高校(都立国立高 校2、3年)の同級生である。女性雑誌などで彼女がしばしば取上げられていたので、アメリカ人のカメラマンと結婚し、房総の農村に居を構え、ベジタリアン として(自然野菜の栽培や野菜料理で)活躍していることは、知っていた。
 先日、彼女から31冊目の本を出したとの手紙を いただき、読むことなった次第。
 内容は、昭和20年代、まだ自然の残る練馬の石 神井公園近く、ほのぼのした大家族とたくさんの動物と囲まれた家庭を舞台にした子供の頃が書かれている。
 「最初のアルバム」は、古い桐の茶箱の中から小 学校時代のアルバムを取り出し開くところから始まる。時はたちまち6歳半のシイカ(小さい時の彼女の呼び名)にタイム・スリップし、入学式に着ていった洋 服やその時の出来事が繰り広げられる。
 話は、「家業は家畜医院」、「仕立て直しの 服」、「涙味のしょっぱい食事」、「わたしはもらい子」、「初恋は永遠に」、「たらふく食った道草」、「少女がおとなになるとき」、………と続く。いずれ も、貧しかったが、逞しく楽しかった昭和の20年代が懐かしくも生き生きとよみがえってくる。
 団塊世代以前の女性や昭和を知らない若い女性に じっくりと読んでほしい本であり、また、教育や家庭など考えるヒントになる読み物でもある。
 しかし、少女のもつ夢や憧れや感じ方など余すと ころなく書かれており、私は読んでいて、正直、場違いの所に入ったような気がしないでもなかった。
 話は中学3年の時に国立へ転校するところで終っ ているが、それからどう成長していったのだろうか。受験に明け暮れしたあの高校時代であっても、彼女はきっと夢を描き続けていたであろう。
 彼女は、(前掲の渡部昇一著『95歳へ!』によ れば)自分のしたいことを仕事にすることができ、自分の能力を思う存分発揮しているので、今一番の幸福を味わっているかも知れないと思った。
 なお、俳優、鶴田忍氏が彼女の弟だとは知らな かった。

本文は田丸氏のホームページに掲載されました。非常に感動的です。ぜひお読み下さい。 http://homepage3.nifty.com/ikasarete/
 
荒澤由紀子さん
茶箱のなかの宝もの」、ゆっくり読ませていただき ました。 
練馬に長く住んでいるので、かつての石神井の文化 活動について
いろいろ知ることができて興味深かったです。
鶴田さんのお父様がその仕掛け人でいらっしゃった というのは、
すごく納得させられるものがありました。
なんといっても子どものときの心に戻って、こどもの目の高さでお書きに
時代や周辺の環境についても客観的 に目配りされていらっしゃるので、
読みながらシイカが成長していくにつれて、受容力 が広がっていくのを
追体験できたことが素晴らしかったです。  
親が仲が悪いように思えたり、経済的に豊かでなく ても、
その分、心にはいっぱい夢を描いていて、それはい つもとびきり美しいものだったという叙述は、すごくよくわかりました。
子ども時代ってそうやって自分で心のバランスをと る力があったものですよね。
私も本に援けられていたのかななどなど、自分自身 の少女時代も重ねて、
とても楽しく読ませていただきました。
 
「週 刊文春」 3/29日号紹介
「ほのぼのとした大家族とたくさんの動物に囲まれた家庭を舞台にした、
「少女の気持ち」が伝わる自伝的エッセイ。当時の雑誌や洋服、家庭用品や食事の風景の描写が織り込まれ昭和20年代の東京の風景が立ち上がる。」
福音館書店「母の友」誌2007/5月号 著者インタビューと共に紹介されています。
より詳しくは、ニュースの雑誌のページへ。
フリー・エディター 西妙子さん

「本の内容は、現代を加筆したことでとても重層的になって自分史を検証するにもとても役立つと思います。ノスタルジーだけでなく、ノンフィクションとして
充実した内容は、硬派の批評家の琴線に間違いなく触れることでしょう。」

著者と編集者の言葉は、岩波書店 ホームページの次をクリックして下さい。
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/index.html   


     



『犬がくれた幸福』鶴田  静著
  
岩波書店刊  税込み1890円 四六判 208頁 
  

  17年間に渡る愛犬との波乱に 富んだ物語です。以前から、わが家でのワークショップにご参加の方がたの
  アイドルでした。そのサニーへの沢山のお便りや写真を ありがとうございました。
  エドによる犬たちの写真も載っています。ぜひ、ご高読 下さい。
  目次
  1章 幸福の始まり 2章 犬たちのナチュラルライフ  3章 食事は青空の下で 4章 犬と育った少女
  5章 家族の計画  6章 愛するものを残して  7 章 幸福は続く 8章 永遠の家族
  エピローグ 花を咲かせる天使



 
戌年に贈る、深い感動を呼ぶ珠玉のエッセイ          
_____________________________________________________
著者から
子犬たちと著者夫婦の織り成す家族の愛の物語です。
東京から農村に移住して飼い始めた二匹の柴犬の雑種ハッピーとサニー。サニーは老犬になり、17歳で逝きました。
その17年間の犬との幸せな暮らしから、著者と夫、その
家族の人生を述懐し、人生の意味を考えます。
動物や植物を「家族」として暮らす幸せをあなたにも願っています。
オビより
「ある日やってきた白い子犬が、夫婦二人だけの生活を根本から変えた。犬の引き起こす事件や出来事は、ベジタリアンである夫婦にペットと人間の文化を再考 させる。そして犬との人生は、深遠なる『幸福』の存在を教えてくれた。」
* 夫エドワード・レビンソンによる犬たちの写真でページを飾っています。
____________________________________________________ 
書店に並んでいない場合、ご注文は 

1 全国の書店で    ISBN4−00−022157−4
2 岩波書店     電話案内 03−5210−4000
           URL:http://www.iwanami.co.jp/
 


<Review>

■鶴田静著『犬がくれた幸福』

週間東洋経済 9/9号 *評 者は「大学崩壊」というベストセラー本を
書いた法大の川成洋先生です 
  

アライブ地 球生物会議 2006/9-10
福音館「母の友」誌2006/11月号

読売新聞 2006/8/9夕刊 「本 よみうり 堂」で紹介されました。下記のサイトへどうぞ。
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20060810bk01.htm


ビートルズとミュージック・シーンの゛カリスマ゛編集集団フロム・ビーの
メルマガ「ビーメール」で、本書をご紹介下さいました。
ホームページ「ビートピア」はこちらへ。
http://homepage2.nifty.com/beatopia/

<Review>
■鶴田静著『犬がくれた幸福』

 『犬がくれた幸福』というタイトル、犬好きなら納得してしまいますよね。
毎日、就寝前に少しずつ読みましたが、エピソードひとつひとつに、納得したり、
羨んだり、反省したり。犬を通じて人生まで教わってしまいました。なんだかと
ても身近に感じる話なので、本を読んでいるというよりは、夜中にうたた寝をし
たときに夢を見ているような感じで、犬の嫉妬とか、ベジ家庭の犬のお食事とか、
放浪するオスのお話とか、犬がくれるいろ〜んな幸せを追体験させてもらいまし
た。そんな幸福がいっぱいあるから、別れはとっても寂しい…。
 この原稿を書いていて(なんとかビートルズと関連づけようとして)、さいた
ま新都心のジョン・レノン・ミュージアムの展示スペースに入るとすぐに、ジョ
ンが愛犬サリーを抱いた写真があるのを思い出しました。両親と離別し孤独な少
年時代をおくったジョンにとって、サリーがどれほどの幸福をくれる存在だった
のか…。犬と暮らしたことのある方なら実感としてわかると思うのですが、犬と
暮らしたことのない方はこの本を読めばなんとなくわかるかもしれません。
 じつはうちにも犬がいて、日本古来からの柴犬のくせにバタ付パンが大好きで、
1日1度のプチ散歩を楽しむ以外は、小さなマンションの一室でじっとお留守番。
日をまたいで家をあける時は、やむなくペットホテルにご宿泊という、「アーバ
ンライフ」を「エンジョイ」。かわいそうだな〜とも思うけど、再会するときは、
きまってこっちが恥ずかしくなるくらい全身で喜びを表現してくれるのです。そ
んなときにすべてが許されたようで幸福を感じます。ということで、映画『サー
ジェント・ペッパー/ぼくの友だち』に続き、この本もまたビートリーで犬好き
のみなさんにおすすめの一冊です。 (ひろた)


『二 人で建 てた家―「田園に暮す」それから』

鶴田静著 エドワード・レ ビソンン写真 
238ページ 写真83枚  本体667円税別 込み700円

            
目次から

新しい器を理想で満たす/インテリアー生活の質の向上/い ま、ここの食/人生を開拓する/ 建築歳時記「手探りで建てた家12ヶ月」/この場を生きる糧として  

新刊書ですので、全国の書店でなるべく3月中にお買い求めください。
本書は、前著文春文庫PLUS『田 園に暮す』の続編です。今回は、現在住んでいる新築の 家のしつらえや、建築中の12ヶ月間を大工さんたちと共に働いた現場からの報告です。
これから家を建てる方やインテリアの好きな方には何かの参考になるかもしれません。
同時に、田舎で暮らすことについての私なりの哲学も含まれています。田舎に住むことを考えている方にも有益かもしれません。どうぞお手に取りご覧下さい。
                   


『母 なる自然の食卓―大地のメッセージ

A5変型 196ページ・内カラー写真ページ68ページ 
料理とレシピ77点! ハードカバー 
写真:エドワード・レビンソン
                
東洋書林 2940円
 

              

「目を閉じて、季節の風と光を感じる。土の匂いをかぐ。〃母なる
自然〃の声を聴く―。ライフ・スタイルの基本を見つめ直し、か
らだの芯から生きる力を呼び起こす、エッセイと77品の料理。」

目次から
春の食卓
誕生のドラマ/ソーラー・フラワー/桜尽くし/父と母の野菜/
大切な生きる場所 他  
夏の食卓
雨の行方/モリスの庭で/幸福なトマト/命の重み 他 
秋の食卓
実は身を作る/秋の白い贈り物/心の喫茶店/風土と地球と 他 
冬の食卓
焼いた林檎/冬のお客様へ/豆腐の縁は異なもの/家族を思う時/ 新世紀への希望 他

レシピの一部
桜ご飯/すかんぽのスープ/菜の花とパスタのサラダ/たけのこと 根三つ葉のパイ/茄子の和風バーグ/かぼちゃと夏野菜のカレー/ そば粉のパンケーキ/柿のマフィン/かぼちゃのピローグ/大根葉 のご飯/豆腐マヨネーズ/夫のたっぷりスープ/娘のジュリエンヌ ・スープ/白菜の煮込み鍋・スパイス風味 他 合計77品。

全国の書店・東洋書林 03−5206−7840 http://www.toyoshorin.co.jp

朝日新聞 2004/6/13日付読書欄
「……四季折々の大地の恵みに素直に感謝しながら食卓を囲む幸福 感、単純明快で和やかな生活の大切さを本書は自然体で教えてくれ る。……写真家の夫が自然の中で撮影した77品の料理がカンバス に咲いた花のように楽しい」

毎日新聞 2004/6/6  生活欄 読む
「季節ごとの自然の恵みは美しく、四季ある国に暮らす喜びが伝わ ってくる。……情感豊につづられたエッセーは滋味に富む」

読売新聞 7/1 夕刊 「women@ぐるめ」欄

『花時間』2004/8月号  角川書店 990円
著者インタビュー「この本の著者に会いたい」 「四季の野菜こそ毎日の暮らしに喜びをくれる想像力の源」


                                                         

韓流の波に乗ったのか「ベジタリアンの文化誌」と「母なる自然の食卓」が相次いで 韓国語に翻訳出版されました。訳者は2冊ともソウルに住む、孫聖愛さん、です。今韓国では、ベジタリアンが増え、有機栽培・無農薬食品のお店も増えている そうです。!!







「田園に暮す」文春文庫plus 200 頁 670円 
                  

文庫は新しく選んだ写真も含めてオールカラー。文章は加筆訂正。
料理は写真のあるもののみ、40種。
大判でモノクロ写真を中心とした柴田書店刊とはだいぶ趣が異なります。
どちらもそれぞれ個性的で、それぞれの良さがあります。



                         


B5版 168頁うち写真77頁(柴田書店 2040円)
          
静謐な田園風景のモノクローム写真を中心に、田園生活の楽しさを語るエッセイ。
カラー写真の料理も満載。写真を
見ているだけで心安らかになる平和な本。
目次ーー田園生活の四季。牧歌的だったロンドン暮らし。仕事を生きる。
暮らしを変えたい。分け合いの家作り。わが庭に集う。野菜と共に。
大判の美しい本です。
柴田書店判は絶版・ 品切れ 




『気持ちのいい生活』学陽書房・女性文庫680 円
              

都会の中で暮していると、ストレ スの多い日々ではありませんか? そんな時、深呼吸してみて下さい。きっと周囲にある生活の細やかな事柄にも目と心がいくでしょう。するとリラックスして 穏やかな気持ちになるでしょう。気持ちよく暮すための小さなヒントがいっぱい詰まっています。大好評をいただいた、『ベジタリアン・ライフ・ノート』(文 化出版局)の文庫化。東京に住んでいた時に書いて、その後の進展も追加しました。



『いま、自然を生きる四六版 229頁 岩波書店 2310円 
カバー写真、およびモノクロ写真8枚挿入 写真:エドワード・レビンソン

都会でなく田舎で生きるとはどういうことなのか。著者の体験から、さまざまな課 題について考える。住居とは、家族とは、コミュニティーとは、エコロジーとは、加齢とは。大自然の中で生きる喜びのさん歌。
目次から
空と大地の真ん中で /燕の故郷 /太陽は世界樹に /秋の祝宴/蓬を摘むナターシャ /良い人生との愛と別れ 

品切れで す。
 書評/読売新聞 読書欄



『緑の暮しに癒されて』四六版 221頁 大和書 房 1800円+税

緑の家で生きる―それは心もからだも癒されること。花や野菜や、鳥や動物ととも に、青い空と緑の大地に抱かれて暮らす心地よさ。緑の暮らしの、衣食住について、楽しいエッセイと、おいしくてシンプルな野菜料理のレシピを併載。都会生 活に自然を取り入れるヒントにもなる。

ここ数年の高校入試問題に使 われ、教科書のサブテキストに使われる文章が載っています。ぜひお読み下さいと、いいながら、本は絶版です。すみません。