2009年春から初夏へ

1週間東京に滞在していました。ビルの谷底にいたのですが、それなりに愉しみました。 異界にいた気もしたのですが、かつて生まれ育った場所。水を得た魚の気分にもなりました。
銀座の裏通りには、マロニエや柳やハナミズキの並木 があり、高層ビルの上には
透き通っていないものの空がある。どこにいても嗅覚 で自然を探し当てることが出来るのです。そのように、どんな状況にいても光と空気と水を求めよう。すると与えられるでしょう。



2009年冬から春へ



© Edward Levinson



枯れ草や敷き藁の下から、小さな芽が萌え出ず る春が始まっています。
この冬は、経済も社会も政治も全てが凍り付くような、冷たい北風が日本中に吹き荒れていました。けれどもやがて東風が吹き、暖かさが戻るでしょう。
それは私たちの足下にある大地が暖められた、地球の体温です。土台にしっかりと
立ち、こつこつと暮らしを紡いでいれば、どんな寒風にも、霜柱にも、寒さで揺るがないでしょう。
春に向かい、愛らしい刺繍を刺すように、自分のもつ糸と針でよりきめ細やかに暮らしを紡いでゆきたいと思います。
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