©エドワード・レビンソン

野菜花壇から


野の恵
4,5年前にいただいた琵琶の木がだんだん大きくなり、ついに豊かに実りました。
と言っても、野生のままなので、小さく、袋掛けもしないのて、傷だらけです。
ああ、これは仕方ない、自分の怠慢のせいだ、とおもいながら、ひとつたべてみたら、な、なんと甘く、みずみずしく、とてもおいしいのです。
バケツにいっぱいとれました。当分はフルータリアンでいます。
ガンジーがしばらくそうだったように。



©エドワード・レビンソン


中学生や高校生の皆さんへ。
ジュニア版ベジタリアンの文化誌 no.5

「フランケンシュタインの怪物」の本を読んだ り、映画を見たりしたことありますか? メアリー・シェリー原作では、〃怪物〃ではなく〃被造物〃はとても人間的に描かれています。被造物は生まれつきの ベジタリアンでした。作者メアリーの夫はイギリスの詩人のシェリーですが、彼はベジタリアンでそれに関する本も書いているから、きっとそのせいでしょう。
被造物はこう言います。「私は、子羊や山羊を殺して食欲を満たすことなどしません。どんぐりや木の実で十分な栄養が取れるのですから。」彼は羊飼いの残したパンやチーズや牛乳、畑の野菜を見付けて食べるようになったのだけれど、肉類は決して食べませんでした。
 被造物は、人間の中に入って一緒に暮らしたいと思うのですが、人間は彼の醜い顔や巨人のように大きな体を見て恐ろしがり、暴力を振るって彼から逃れ、中 間に入れてくれないのです。こんな自分を造ったフランケンシュタインを彼は恨み、復讐するために人を殺すようになってしまいます。 
動物を殺すことも食べることもなかった優しい人が殺しをする。そこには「差別」に対するメッセージが込められているのです。人を外観だけで判断する愚かし さ。自分と異なった人を嫌い、自分のところから追い出そうとすること。自分より弱そうな人をいじめること。そういうことは、人の心を歪め、社会を悪くして しまうのだと。
 差別をしないこと、それは「民主主義」という言葉でも表されます。だれもが、自由・平等・幸福を求める権利がある、とアメリカの独立宣言にあります。ベ ンジャミン・フランクリンはこの民主主義を作り上げた一人ですが、彼は十六才の時にイギリス人が書いた『健康・長寿・幸福への道』を読んでベジタリアンに なりました。十七才なのに肉・鳥・魚を使わない菜食料理を、四〇種類も知っていたんですって。機知に富んでいた彼は、「神は悪魔のような料理人に肉を与え た」などという格言を作って本にしました。後にはアメリカ最初の奴隷反対協会を作って差別をなくす運動をしました。 強いものが弱いものを肉として食べる 「弱肉強食」という言葉がありますが、肉食はこの通りのことですね。力が強く富のある人や国は、貧しく弱い人や国を支配します。インドのガンジーも、支配 国イギリスと闘ってインドを独立させました。肉食のイギリスを菜食のインドが負かした、とも言えるでしょう。ガンジーは、ベジタリアンを広めることを生涯 の使命として本や新聞に書いたり、何をどう食べたらいいかを実験して人々に教えたりしました。果実だけを食べること、生の穀物や野菜を食べること、穀類・ 豆類・果実・野菜・牛乳や蜂蜜や糖蜜の五品目を取ること。 
 これまでみてきたように、肉食文化を持つ西洋にも大勢のベジタリアンがいたのですが、彼らがベジタリアンであるのは自分の健康のためだけではなく、良い 精神を作るのが目的でもあります。その精神でもって、人間社会や、動物植物の生存する地球社会を平和にすることを願っているのです。


大人の方は「ベジタリアンの文化誌」や「ベジタリア ンの世界」、「ベジタリアン宮沢賢治」を読んで下さい。本のページへどうぞ。
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©エドワード・レビンソン


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