©エドワード・レビンソン
野菜花壇から

またもや例年のごとくの冬野菜の植え付け。キャベツ、大根、ブロッコリー、小松菜、レタス、カブ、にんじん、サヤエンドウ、ニンニク、春菊、いまはまだ、間引の細かい野菜くらい。春菊は良くできている。

先月訪れたバルセロナでの食事の一部 
ほとんどがタパスという小皿料理

1903年まであったカフェ『クワトロ・ガット』ピカソやミロやダリやカザルスそしてもちろん、ガウディら、スペインの名匠となった人々が若き日に集った店だった。そ
のその名だけを引き継いだカフェで夕食。当 時の雰囲気は、黄色の壁に飾られた何枚ものスケッチに忍ばれる。三ツ星の風格ある店だが、観光客ばかりらしい。ウエイターも格付けで何人も入れ替わって来 る。どこでもまず皿いっぱいのオリーブとパンがつまみ。ワインは一本とらなければならないので、グラスのシャンパン。レモン入りのビール、クララ。サング リア。
料理は野菜のクレープ、スパニッシュ・ソースのパスタ、茄子やピーマン、アーティチョークなどのロースト、デザートに私がカタルニア・カスタード、エドがフォレストケーキ、これで約100ユーロもした。1ユーロは165円くらい。

ある日の午後。カサ・ミラから疲れて帰り、昼食もしなかったので、『カフェ・オペラ』で遅い昼食。リセウオペラ劇場の前にあり、入って来る人々は、観光客 以外には、芸術家や知識人と思える人種が多かった。ウエイターたちは、自分の店を誇りに思う余りか、観光客に対してはつれない。全店喫煙席で、ウエイター たちも暇を見てはスパスパ吸っている。店内はアールヌーボーとデコのミックスのような雰囲気。
食事は、スパニッシュ・オムレツ=トルティーヤ、ポテトのクリーム添え、エドのたのんだゴート・チーズはブルーチーズのように臭う。しかも間違えて二人分の大皿。カプチーノ。パンには刻んだトマトにオリーブ油がかかる。25ユーロ。

大学通りの一角にあった小さなレストラン。ベジタリアン・パエリャとあったので、入る。まるで70年代のヒッピー・カフェのような木作り。入っているのは 先生か学者達の一団。それに大学人らしいカップルたち。おもしろいことに皆中年だ。そして禁煙。満席になった。皆、ワインや酒類をよく飲む。
まずワイン、パン、トルティーヤ、チーズ、茸のニンニクソース、ポテトのクリーム添え。パエリャ。ワインのお変わりをすると、若くてひょうきんなざっくばらんなウエイターが、私たちにプレゼントしてくれ。スペインではワインも水も同じ値段。 

大学通りの近くを歩いて、親しみやすい小さな食堂へ。おじさんと東洋風のお姉さんのウエイト。デミタスの赤白ワインを一本ずつ。パン、ベジタリアン・パエ リャは四人分くらいあり、パエリャ鍋は厚くておおきい。籠に敷かれて出てきた。真っ黄色の米に、アスパラガス、トマト、人参、マッシュルーム、ライマ・ ビーンなどがたっぷり。その前に、パスタ入りのトマトスープと   を前菜に食べたので、こちらも残念ながら全部を食べきれなかった。回りのお客とおいし いとか、たっぷりあるとか、と会話を交わす。やはり、こんな町のレストランがいい。しかもこちら側は禁煙だ。それにしてもレストランにはスープのメニュー が少ない。
他にも、ハード・ロック・カフェやチューリッヒ・カフェなど入りたいところはあったれど、時間も機会もなかった。 

ベジタリアン・カフェは、同じ地域に、2,3軒あった。市場の中にもベジタリアン・カフェがあり、豆腐のフライや雁擬があった。しかし、私たちはふつうのレストランを体験したかった。たいてい、どこででも、ベジタリアン料理を食べることができる。
ガウディは、中年以降、ベジタリアンになり、禁酒禁煙をしていました。しかし今のこの国では、お酒は水のようだし、禁煙はまだまだ容認されています。

果物では、カキがkakiとして売られていた。蜜柑も温州蜜柑と同じ形と味のがあった。スペイン産のお芋は日本のサツマ芋によく似ているが、街角で焼き芋 となって売られていた。実際、どこの国にでも、どこかの国の料理と似たものがある。テンプラなんて、ポルトガル料理だし。人間皆同じで地球は今は小さく なった。

©エドワード・レビンソン

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